麻雀プロリーグ「Mリーグ」のレギュラーシーズンも終盤戦の83日目。
その第2試合のオーラスで衝撃の出来事が。
チーム雷電の黒沢咲プロが役満の四暗刻単騎のアガリきめる!
放銃したのはカドカワサクラナイツの内川幸太郎プロ。
悲劇の王子・内川幸太郎 痛恨の役満放銃も打ち様にファン評価急上昇!
チーム状況も適正に判断
しかし放銃した内川プロはその直前にアガリをスルーしていました。
もちろん意図あってのスルーですが、もし内川プロがアガっていたらどうなっていたのか?
次から詳しく見ていきます。
内川幸太郎プロ「7ピン」スルー「西」打ちはソンかトクか?
内川プロが黒沢プロの四暗刻単騎に放銃する前に、内川プロがアガるチャンスがありました。
しかも跳満12000点のアガリ、しかしそれを内川プロにスルーさせた状況は何か。
「Mリーグ」83日目、第2試合のオーラスのときの試合中の素点・順位点(暫定)とチームpt(暫定)は次のとおり。
チーム名 | 試合中の素点 | 順位点(暫定) | チームpt(暫定) |
EX風林火山 | +14.5 | +50 | ▲434.3(8位) |
赤坂ドリブンズ | +10.7 | +10 | ▲129.6(7位) |
チーム雷電 | ▲15.3 | ▲10 | ▲34.6(5位) |
カドカワサクラナイツ | ▲29.9 | ▲30 | +39.2(4位) |
レギュラーシーズン終盤戦、どのチームもセミファイナル進出の6位以内を目指して戦ってます。
この状況のオーラスでカドカワサクラナイツがEX風林火山から跳満をアガるチャンスが。
しかしアガると赤坂ドリブンズの素点がEX風林火山を逆転して、赤坂ドリブンズがトップとなります。
チームpt暫定7位の赤坂ドリブンズに順位点+50が加算されるのは6位以上のチームには嬉しくない状況。
その状況が、内川プロに跳満のアガリをスルーさせることに。
もし内川プロが他の選択をしたら?
「Mリーグ」83日目、第2試合のオーラスで、もしも内川プロが「西」打ちで放銃しない選択をしたらどうなっていたか。
「西」打ちで役満放銃する以外の選択肢はふたつ考えられます。
- EX風林火山から跳満をアガり、試合終了
- 「西」打ちせずオリて、親の連荘
そして実際に選択した「西」打ちで放銃の場合も含めて、3つのケースでチームptがどうなるか比較します。
チーム名 | 役満放銃 | 跳満アガる | オリる |
EX風林火山 | ▲475.3 | ▲486.9 | ▲433.8 |
赤坂ドリブンズ | ▲149.6 | ▲89.6 | ▲131.1 |
チーム雷電 | +59.0 | ▲34.6 | ▲33.1 |
カドカワサクラナイツ | +6.6 | +51.8 | +37.7 |
※黒字のptは試合終了で確定のpt。赤字のptは親の連荘で暫定のptです。
一見すると、跳満アガるほうがよさそうに見えます。
役満放銃せずにオリる選択もあります。
しかし親の連荘で、次局に赤坂ドリブンズが逆転トップの可能性もあります。
実際には「西」打ちで黒沢プロの四暗刻単騎に放銃となりました。
しかしこのオーラスの状況で、32000点の放銃となる結果は確率にして0.1%以下といってよく、想定の中でも最悪の部類といえます。
次に「西」を打って想定できる一般的な状況を比較してみます。
「西」を打って想定できる3つの状況
「Mリーグ」83日目、第2試合のオーラスで、内川プロが「西」打ちの局面で想定できる一般的な状況はどのようなものか。
この局は風林火山が親リーチ、さらにチーム雷電が親リーチにオリずに勝負と、かなり危険な状況。
一方でカドカワサクラナイツの内川プロも跳満テンパイ、アガっても4位変わらずながら、できればアガリやテンパイをとりたいところ。
ここで「西」打ちで想定できる一般的な状況は3つ考えられます。
- EX風林火山に約12000点の放銃、親の連荘
- チーム雷電に約12000点の放銃、試合終了
- 「西」がとおって放銃せず流局、親の連荘
状況的にMAX12000点の放銃と見積もるのが一般的な局面です。
この3つの状況でチームptがどうなるか比較します。
※黒字のptは試合終了で確定のpt。赤字のptは親の連荘で暫定のptです。
チーム名 | 風林火山に放銃 | 雷電に放銃 | 放銃せず流局 |
EX風林火山 | ▲421.7 | ▲434.3 | ▲434.3 |
赤坂ドリブンズ | ▲129.6 | ▲129.6 | ▲132.6 |
チーム雷電 | ▲4.6 | ▲22.0 | ▲33.6 |
カドカワサクラナイツ | +26.6 | +26.6 | +40.2 |
EX風林火山に放銃すると親の連荘ですが、赤坂ドリブンズのトップの確率がかなり下がります。
チーム雷電に放銃すると、赤坂ドリブンズにトップをとられることなく試合終了。
放銃せず流局すると親の連荘で、トップのEX風林火山と2位の赤坂ドリブンズが6800点差(供託1本と3本場で実質4900点差)です。
赤坂ドリブンズにトップを取らせないためには、流局より放銃したほうがよさそうにみえます。
セミファイナル進出へ!トクする選択はどれか
ここまで3つの選択肢と3つの想定できる状況、合わせて6パターンをみました。
カドカワサクラナイツがセミファイナル進出するにトクする選択はどれか。
セミファイナル進出には赤坂ドリブンズのトップ獲得を阻止することがポイント。
それぞれの選択の結果、カドカワサクラナイツと赤坂ドリブンズのポイント差がどうなるのか。
「両チームのポイント差」をトクする選択の判断材料として、みていきます。
※黒字のptは試合終了で確定のpt。赤字のptは親の連荘で暫定のptです。
チーム名 | 西打ち | 跳満アガる | オリる | 風林火山に放銃 | 雷電に放銃 | 流局 |
ドリブンズ | ▲149.6 | ▲89.6 | ▲131.1 | ▲129.6 | ▲129.6 | ▲132.6 |
サクラナイツ | 6.6 | 51.8 | 37.7 | 26.6 | 26.6 | 40.2 |
両チームの差 | 156.2 | 141.4 | 168.8 | 156.2 | 156.2 | 172.8 |
結果はチーム雷電に役満放銃となった「西」打ちがカドカワサクラナイツと赤坂ドリブンズの差が156.2pt差です。
これはカドカワサクラナイツが跳満をアガったときの差の141.4pt差よりも11.8ptも上です。
赤坂ドリブンズとのセミファイナル争いの上では、跳満アガるより役満放銃がセミファイナル進出に有利な結果になりました。
実際にはカドカワサクラナイツがチーム雷電に役満32000点の放銃でした。
しかし跳満12000点の放銃だとしてもカドカワサクラナイツと赤坂ドリブンズの156.2pt差は変わりません。
また、オリて流局した場合は両チームのポイント差が広がりますが、親の連荘になります。
トップのEX風林火山と2位の赤坂ドリブンズが6800点差(供託1本と3本場で実質4900点差)なので予断を許さない状況です。
内川プロの「西」を打った選択は、セミファイナル進出へトクする選択、といえそうです。
さいごに
「Mリーグ」83日目、第2試合のオーラスの内川幸太郎プロの選択についてでした。
実際にはアガリをスルーした結果、役満放銃という劇的な結末。
チームptを減らす結果となったので、跳満アガる選択と賛否はわかれそうではあります。
しかしセミファイナル進出には跳満アガるより放銃が有利といえそうな結果に。
この非常に難しい判断を、試合終盤の短時間でみせた内川プロのすごさが感じられます。
これからも内川プロのプレーには注目です。
麻雀を楽しんでもらえれば幸いです。
ここまで見ていただき、ありがとうございました。