
本記事は少子高齢化問題に伴い発生している、政治で高齢者優遇の政策が優先されている問題についてのコラムです。記事を読むことでシルバー民主主義について知ることができます。
「シルバー民主主義」という言葉をご存知でしょうか。政治において高齢者層が支持する政策が反映されやすいという問題です。
解決方法としては若い世代の投票数を増やすこと、投票を義務化して違反者に罰則を加えること、インターネット投票の導入などがあげられますが、決定的なものはありません。
原因は少子高齢化により高齢者層が支持する政策を掲げる立候補者に投票が集まりやすくなっていることにあります。
このことにより現在の政治において高齢者層が支持する政策が反映されやすくなる、という問題が起きています。
シルバー民主主義とは
現在進行中の少子高齢化によって、選挙の有権者に占める高齢者の割合が増えています。
そのため選挙の際に、高齢者層が支持する政策を掲げる立候補者に投票が集まりやすくなっています。
その結果、高齢者層が支持する政策が政治に反映されやすい状況のことをいいます。
問題点
選挙の際に立候補者が当選するために、多数派で投票率が高い高齢者層に支持されやすい政策を優先的に掲げるようになります。
これにより少数派で投票率が低い若い世代が支持する政策が政治に反映されにくくなります。その結果、世代間の不公平につながるとされています。
解決策
有力な解決策はないのが現状です。いくつか解決策になる可能性があるものは提唱されています。
余命別選挙制度
若い世代の投票権を増やす。例えば若い世代はひとり1票→ひとり2票に増やす。
これにより選挙の際に立候補者が若い世代が支持する政策も掲げるようになり、その政策が政治に反映されにくい状況が改善されることを見込むことができます。
これは平均余命が長い人のほうが物事を長期的な視点で考える傾向にあるという考え方に基づいています。また結果責任を共有する期間(=余命)が長いという点もあります。
しかしこれは「ひとり1票」という民主主義の原則から外れることになるため、賛否がわかれるところではあります。
義務投票制度
投票を法律で義務づけることにより投票率を向上させる施策を実施している国もあります。日本は任意投票制度です。
内容は国ごとに異なります。内容や罰則などにより、投票率の向上に大小があります。総じて罰則の厳しさと運用の厳格さに比例して投票率が上がる傾向にあります。
実施に際しての罰則と運用を決める必要があることから、実施の実現性は低いのが現状です。また民主主義の観点から、強制された投票に有効性があるか議論が分かれるところです。
インターネット投票の導入
若い世代とインターネットは親和性が高いため、導入ができると若い世代の投票率の向上に一定の効果が期待できます。しかしセキュリティ面や不正投票の防止などの課題をクリアする必要があります。
既存の技術と運用で課題をクリアすることを見込めるため、解決策の中では最も現実的といえそうです。しかし新しい運用を取り入れることに対する抵抗の発生が懸念材料となります。
長期的な視点で考えて投票する
シルバー民主主義の問題は投票者全員が長期的な視点で日本全体、国民全体のことを考えて候補者への投票を行うことで防ぐことができます。
しかし高齢者層にはデメリットになる選択となるため、現在は理想と現実が乖離した状態となっています。問題が発生している現状では現実的な解決策とすることは非常に難しいです。
まとめ
・現在シルバー民主主義による問題が発生している
・問題点は政治で高齢者優遇政策が優先されること
・現在有力な解決策はないが以下があげられる
・余命別選挙制度
・義務投票制度
・インターネット投票の導入
シルバー民主主義は解決がとても難しい問題です。現状の民主主義を根本から変えなければ解決できないのではないか、とも言われています。
より多くの人が認識を持つことが解決への第一歩となるでしょうか。参考になれば幸いです。