今回はお金についての話です。生きていく上で関わらずにはいられない「お金のこと」「経済のこと」をどれくらい理解していますか。
佐藤航陽さんの著書「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」に、現在とこれからのお金と経済のことについて、難しい内容が素人にもわかりやすく書かれています。
現在のお金と経済のことを説明した上で、今後のどのような未来になっていくのか、その可能性を解説されています。
読んでみて大変参考になりましたし、何より難しい内容をわかりやすく説明や解説しているのがありがたいです。気になる人はぜひ見て頂ければと思います。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 佐藤航陽 著
佐藤航陽さんの著書「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」から現在とこれからのお金についてみていきたいと思います。
多くの人が抱える悩み
多くの人の悩みの種類は3つに分かれます。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方
1.人間関係
2.健康
3.お金
この3つは多くの人が死ぬまで考える必要がある悩みです。逆にいうと、これらを解決することがビジネスにつながる、と考えることもできます。
人間関係のノウハウや個人のモチベーションの維持など、そのような知識を売ることは需要が多いことが想定されます。
健康については多くの健康食品があります。青汁やサプリメントなど、健康食品の広告は毎日目にするほど枚挙にいとまがありません。またダイエットや筋トレなどの身体をコントロールして健康を得ることも広告を良く目にします。
お金については稼ぐ方法のノウハウはインターネット上を中心に数多くみられます。書籍、セミナーなどでもひとつのジャンルとして確立しています。
これらの悩みの解決がビジネスの種であるといえます。
3つのベクトルが未来の方向性を決める
現実はおおよそ3つの異なるベクトルが併存し相互に影響を及ぼしており、それらが未来の方向性も決めている。「お金」「感情」「テクノロジー」の3つです。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方
著者の佐藤航陽さんが経験から、世の中がどのように動いているかという力学について、成果を出している人がこのようなバランス感覚を持っていると感じているそうです。
お金は現在の世界ではとても強い影響力を持っています。感情は個人の行動を決める大きな要因となります。また個人の感情が集まると集団として大きな力となり影響力を及ぼすこともよくあります。
お金と感情お金の影響力のほうが強いですが、人の感情を無視して成功をしても最終的には自壊してしまうので感情も大切であると書かれています。
テクノロジーについてはいまの生活の前提となっているものが多くあります。インターネット、スマートフォンはいまの生活に欠かすことができないテクノロジーです。テクノロジーは大きな変化を起こすきっかけを作る点で未来の方向性を決める要素のひとつといえます。
引っ張る力はお金が一番強く、次に感情、最後がテクノロジーです。ただ、必ず3つのベクトルが揃っていないと現実ではうまく機能しないというのが特徴です。
お金とは何か
一般に、お金には価値の保存・尺度・交換の役割があるといわれています。いまはお金は大きな影響力を持っていました。しかし少し昔に遡ればお金よりも食べ物が大きな影響力を持っていました。
食べ物の影響力の大きさの表れのひとつが「加賀百万石の大名」という言葉です。いまはステータスをあらわすのに「年収1千万円」と言ったりします。一方で少し昔は石高、つまり食料であるお米がどれだけ収穫できるか、これがステータスの基準になっていました。
余談ですが、今後はお金から信用に影響力が移り変わるかもしれません。信用スコアのひろまりもあります。またベーシックインカムを導入する国が増えればお金の必要性が下がることが考えられます。お金にかわるステータス、価値観が出てくることが想定されます。
経済とは「欲望のネットワーク」
経済は個人の欲望・欲求を起点に動く報酬(インセンティブ)のネットワークです。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方
このような動的なネットワークには共通する特徴が2つあります。
1.極端な偏り
2.不安定性と不確実性
特徴のひとつが「極端な偏り」です。何かを買うとき、選ぶときに多くの人に人気があるものを選ぶことが多いです。それが偏りとなって表れます。売れるものは多くの人に選ばれていることから露出が多くなり、信用も高まり、さらに売れるようになります。
このことによって選ばれる上位のものとそうでない下位のものに大きな差ととして偏りが生まれます。上位2割が全体の8割を占める、パレートの法則といわれる現象が発生します。
もうひとつの特徴が「不安定性と不確実性」です。これは全体が密接につながり、また関わり合いすぎることにより、些細なことが全体に大きな影響を及ぼすようになることです。
今は遠い国の政情不安が為替に影響し、為替が金融に影響し、金融が生活に影響する、という事象です。遠方の関係が薄いよう出来事がネットワーク全体に影響を及ぼします。そして自分自身の身近なことにも影響が及びます。
いまの経済は欲望のネットワークであり、そのネットワークは「極端な偏り」と「不安定性と不確実」を内在しています。
経済とは何か
経済とは簡単に言うと「人間が関わる活動をうまく回すための仕組み」です。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方
国、会社、株式市場、お店、インターネットなど、経済活動は人間が活動しやすく、生きていくことをより便利にするための仕組み、ということです。
本書では「世の中の悲劇や不幸の多くは、悪人よりも、実際は誤った仕組みが大規模に社会に適用されることによって起きているほうが多い」と述べられています。ニュースなどではあまり聞かれない意見ですが、最近の事件や事故を見ると納得するところが多い意見だと感じます。
これらを解消するには誤った仕組みをうまく回る仕組みとかえていくことが大切になってきます。そのために新しい仕組みやテクノロジーなどを創り出し、使いこなせるようになることが求められます。最近の例をひとつあげると自動運転の自動車による事故の低減でがあげられるでしょうか。
まとめ
佐藤航陽さんの著書「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」からいまのお金、経済についてとりあげました。「経済をネットワークとして見る」、「経済は人間が関わる活動をうまく回すための仕組み」という考え方が参考になります。
ここまでの内容でまだ本書の2~3割くらいです。ここからさらに、テクノロジー、価値主義や信用主義の話、さらにお金から解放される生き方と深い内容に入っていきます。興味がある方は参考になると思いますので一読をおすすめできる良書です。
参考になれば幸いです。最後まで見て頂いてありがとうございました。