ペルソナを理解してビジネスの武器にする

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今回はペルソナという話です。ペルソナという言葉、聞いたことがあるでしょうか。ペルソナとは端的に言うと自分の多数の個性のうち、外界に示している姿のことです。このペルソナの理解を深めることでビジネスの役に立てることができます。

山口周さんの著書「武器になる哲学」に哲学の言葉をビジネスに役立てる説明がわかりやすくかかれています。ペルソナの理解を深めることでビジネスに使うこともできますし、また普段の生活、人間関係にも役立てることができます。機会があればぜひ読んでみることをおすすめする書籍です。

武器になる哲学 山口周 著

著者の山口さんはビジネスの世界で活躍されている方なのですが、大学で哲学科に在籍していたこともあり、本書を読んでみて哲学にも詳しい方だと感じました。本書の内容は哲学をビジネスパーソンの武器にする、というテーマなのですが哲学の言葉から現在のビジネスに役立つ内容や考え方を引き出しています。読んでみて、まさにビジネスの「武器になる哲学」だと感じました。

山口周さんの著書、「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」から歴史上の哲学や思想についての言葉を抜粋して、みていきたいと思います。

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ペルソナとは

私たちは皆「仮面」を被って生きている。

カール・グスタフ・ユング

心理学者のユングはパーソナリティのうち、外界と接触している部分をペルソナという概念で説明しています。

ユングは「ペルソナとは、一人の人間がどのような姿を外に向かって示すかということに関する、個人と社会的集合体とのあいだの一種の妥協である」と説明しています。

武器になる哲学

自分のことや経験から考えてみると、環境によって自分の内面の中にある多数の個性のうちのどれを表に出して見せるかを自然と選んでいることに気づきます。家庭での姿、職場での姿、友人に見せる姿、親に見せる姿、その他にも様々な状況や場面で見せる姿があります。

「個人と社会的集合体との間の一種の妥協である」というのは、なるほどと思います。確かに職場、友人、或いは家庭であっても、それらの社会的集合体という集団にうまく合わせるために、本来の自分とは別の自分の姿を見せる必要があるということです。そしてそれは本来の自分とは違う姿を見せることを求められるので妥協であったり、場合にあっては要請や強制であったりする場合もあると感じます。

話は少し外れますが、ブログを書くときや題材を決める手法のひとつに「ペルソナを決める」という方法があります。ブログを書く内容の対象の誰かを決めるということです。例えば、身近な友人に向けてであったり、過去の自分であったりします。その対象に向けてのメッセージとして書く方法です。ブログを書く時の「ペルソナを決める」というのも自分のひとつの姿を決めるということで通じるものがあると思います。

自分の個性とは異なるペルソナを被ると

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私自身も、自分のパーソナリティとは異なる仮面を、所属した組織の要請によって被っていた時期がしばらくありましたが、これは後になってみるとやはりあまり幸福な時期ではなかったように思います。

武器になる哲学

本来の自分とは違う姿を見せることを強制されると幸福ではないというのはわかる気がします。ありのままの自分でいられることも多くはありませんが、大なり小なりは自分の個性に重なる部分がある姿でないと、心身が消耗するのではないでしょうか。なにしろ自分と別の姿を演じることを求められるので。

自分とペルソナの不一致は必要な面もある

「自分」と「ペルソナ=仮面」の不一致はネガティブなものに思われるでしょうが、ことはそう単純ではありません。ある場所でまとっていたペルソナを別の場所では別のペルソナに切り替えることで、なんとか人格のバランスを保って生きている、というのもまた人間の実際の姿です。

武器になる哲学

いくつものペルソナ=仮面をもつということは多重人格のような印象を受けるのですが、それでバランスを取っている、というのは納得できる意見です。特に自営業やビジネスで活躍されている人は人との付き合い方を是々非々で行っていることが多いように感じます。

是々非々というのは良いことは良い、悪いことは悪いと公平な立場で判断することです。相手に対して合うところは合う、合わないところは合わないと理解して、割り切って合う部分について関わりをもっていくことです。

ビジネスで多くの人と関わるとやはり合う人ばかりではないと思います。是々非々の姿勢を見ていると、行動に整合性に欠くような印象も受けます。しかし合わない部分があるからと否定してしまっては合う部分を認めることもできなくなってしまいます。と関わることも難しくなってしまいます。それはもったいないことだと思います。

まとめ

  • ペルソナとはどのような姿を示すかということ
  • ペルソナとは個人と社会的集合体とのあいだの一種の妥協
  • 自分の個性と異なるペルソナを被ることはあまり幸福ではない
  • 自分とペルソナの不一致によって人格のバランスを保っている部分もある

自分のいくつもあるペルソナを知ることは自分を知ることにもつながって大切なことだと思います。社会に対して自分の個性と異なるペルソナを示さざるを得ないこともあります。しかし一概に悪いことではなく、自分の個性と異なるペルソナを示すことで人格のバランスを保っている部分もあります。

自分のことを知ることは難しいことでもあります。ペルソナというものが存在して、自分の中に複数あることをなんとなく知っているだけでも精神的に楽になる部分もあると思います。難しいようであれば、まずはペルソナという概念があることだけでも知っておくといいのではないでしょうか。

参考になれば幸いです。最後まで見て頂いてありがとうございました。

書評
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