今回は心にゆとりをもち、自然体に近づくための方法についての話です。普段から自然体で過ごすことはできていますか。周りの人の目を気にしていないでしょうか。
気になる方には名取芳彦さんの著書「気にしない練習」にこれらの悩みを解消する方法が書かれているのでおすすめです。
著者の名取さんは現役の住職の方です。本書ではご自身の経験や仏教の教えをとおして、普段から余計なことを「気にしない」で過ごすための考え方を説かれています。
他人の目や考えを気にせずに自然体で過ごしたい方は、本書の内容を知ることで、きっと自然体に近づくヒントを得ることができます。
気にしない練習 名取芳彦 著
名取芳彦さんの著書「気にしない練習」が心が落ちつく良書でしたので紹介します。サブタイトルに「不安・怒り・煩悩を”放念”するヒント」とあります。煩悩というとお寺やお坊さんを思い浮かべる人もいるでしょうか。
著者の名取さんは住職の方です。つまりお坊さんで「元結不動 密蔵院住職」というなにやらすごそうな肩書の方です。でも著書の内容は穏やかな語り口の心に染み入りやすい内容で自分はゆったりと読み進めることができました。
仏教の教えの話も多くでてきます。自分に合うところ、取り入れやすいところを取り入れていくことで、気持ちを穏やかにして普段の生活を過ごしていけるように思います。
心が穏やかになるための教え
仏教は「いい人になれ」なんて言っていません。
気にしない練習
なんとなく仏教も含めて、信仰を伴うものはいい人にならなければいけないという印象があります。しかし本書ではそうではないと説いています。では「悪い人になれ」と言っているかというともちろん、そうではありません。
実際のところはどうかというと「◯◯をしなければいい」と説いているそうです。確かに自宅にあるお経本を見てみると。
「五戒」
経本より
・不殺生戒・・・無益の殺生は致しません
・不偸盗戒・・・与えられざるものは取りません
・不妄語戒・・・嘘偽りは申しません
・不邪行戒・・・間違った行いは致しません
・不邪見戒・・・邪まな心は起こしません
殺生をしなければいい。取らな(盗まな)ければいい。嘘を言わなければいい。間違った行いをしなければいい。邪まな心を起こさなければいい、とあります。なるほど、「◯◯をしなければいい」という考え方になっています。
仏教はいい人を目指す教えでなく「心が穏やかになるための教えなのです。」と説いています。いい人を目指すと大変そうに思えますが、心を穏やかにすると言われるとなんとなく自分の気持ちひとつでできそうな気がしてきます。
他人の目を気にしなくなる方法
人が自分をどう思うかは「相手の問題」。
気にしない練習
人が自分をどう思うかは、気にしないようにしても気になりがちです。人に嫌われないように、悪く思われないように無理をすると逆に疲れてしまうこともあります。見出しのとおり、どう思うかは相手の問題なので気にしすぎても仕方がないのが実際のところです。
ではどのように気にしないようにすればよいかというと。本書で著者の名取さんは「やりがいがある生き方を見つけてからは人からの評価が気にならなくなり、自分がやっていることの満足度を優先するようになった」と言われています。
相手の目、他人の目を気にしなくなる方法は自分がやりがいがあることをすると、夢中になって周囲のことが気にならなくなるのですね。
自然体に近づく方法
”自然体”の人が、結局は一番強い。
気にしない練習
自然体とは「気構えず、先入観を持たない無我の境地」を指すようになりました、と本書で説かれています。自然体だと力まないので疲れませんし、物事を自然と受け止めることもできます。そのような自然体に近づくことができれば、普段の生活で過ごしやすくなりますし、周囲に影響されることも少なくなりそうです。
そのような自然体になる方法、気構えや力むことを解消するのに最も適した方法として、「ほのかな明かりの部屋で、心静かにする時間を持つこと」と説明をされています。心静かにするというと瞑想を思い浮かべますが、それに近いものだと思います。
忙しくて時間がとれなかったり、何もせず心静かにすることが退屈に感じたりすることもあるかもしれません。しかし時間を確保して、心を静かに落ち着けることで自然体へと近づくことができます。
また別の方法として「構えていても予想どおりのものが来るとは限らないことを知っておく」ことも大切だそうです。構えていても仕方がないとわかっていると、あきらめがついて構えたり力んだりすることがなくなりそうなのは納得です。
必ずしもすぐに自然体になれるわけではありませんが、普段から自然体になることを理想として意識をしていきたいところです。
まとめ
・仏教は「いい人になれ」なんて言っていません。
気にしない練習
・人が自分をどう思うかは「相手の問題」。
・”自然体”の人が、結局は一番強い。
- 仏教は「〇〇をしなければいい」と説いている。
- やりがいがある生き方を見つけ、自分がやっていることの満足度を優先する。
- 自然体に近づく方法は「ほのかな明かりの部屋で、心静かにする時間を持つこと」
- 自然体に近づく方法は「予想どおりのものが来るとは限らないことを知っておく」
心にゆとりをもち、自然体に近づく方法として、住職である名取芳彦さんの著書から紹介しました。今回紹介したのは本書の内容のごく一部で、他にも心おちつく内容がたくさんあります。住職の方の話は深みを感じることが多いです。また折をみて紹介したいと思います。
参考になれば幸いです。最後まで見て頂いてありがとうございました。