今回はロジカルシンキング、論理的な思考の話です。論理的な思考は得意でしょうか、苦手でしょうか。
論理的な思考についてマンガでわかりやすく解説している書籍があります。それが「マンガでわかる 必ず伝わる!ロジカル会話術」です。
内容はマンガがメインで章ごとのマンガのあとに文章で解説が入っている構成です。マンガがメインということもあってわかりやすくて読みやすく、また実用性も高い内容になっています。
論理的な思考の理解を深めることができる一冊となっています。
必ず伝わる!ロジカル会話術 船川淳志 監修 深山雪男 作画
監修 船川淳志さん、作画 深山雪男さん共著の「マンガでわかる 必ず伝わる!ロジカル会話術」から論理的な考え方についてと感想や印象をあげていきます。
まず内容を身につけて習慣化しようとするのであれば繰り返し熟読することが大切かと感じました。
マンガがメインで章ごとのマンガのあとに文章で解説が入っている構成なので、文章の部分を読み飛ばすと理解が浅くなってしまいそうです。繰り返し読んでみたいと思います。
題名に「必ず伝わる!ロジカル会話術」とあるように対話に使える考え方、思考法というテーマになっています。
演繹法と帰納法
演繹法という言葉は知らなかったのですが、別名で三段論法と言われると馴染みが深くなります。A=B(大前提)、B=C(小前提)、ゆえにB=C(結論)というと、ぐっとわかりやすくなります。
演繹法のポイントとして「前提の妥当性」と「集合の輪でみる包含関係」の2点であると、わかりやすくまとまってます。
帰納法は事象の共通点を見つけて結論を導き出す方法です。ポイントは「事象から的確に共通点を見つけて結論とすること」、「事象は結論を支えるのに十分なデータ量であるか」です。こちらもわかりやすくまとめてあります。
話す順序は「結理事結」
話す順序は「結論、理由、事例、結論」。略して「結理事結」です。
ビジネスでは「わかりやすい報告は結論から話す」という言葉を聞いたりします。そのことにも合致していて、有用な内容であることがわかります。
「結理事結」の話す順番については、通販番組の構成にも通じるところがあります。例としてダイエットサプリの通販番組を考えてみます。
まず今より痩せた体を手に入れるという問題の解決である「結論」を述べます。次に体が痩せる根拠となる成分の説明など、問題の解決という結論を得られるための「理由」を説明します。
続いて実際に体が痩せた人の事例や医師のインタビューなどの「事例」を見せます。
最後にもう一度、痩せた体を手に入れるという問題の解決である「結論」を述べるという通販番組の構成となっています。
この「結理事結」の話す順番は「起承転結」の話す順番を「結」から始めることで手早く伝える方法です。
時間と相手が許せばきちんと「起承転結」の順番で話す方法も十分有力ですが、時間がかかって相手に伝わらないこともあるので使い分けが大切です。
MECEはロジカルシンキングの基本
MECEは「全てをカバーしていてダブリもない」ということです。AとA以外で全体を構成している場合にAとA以外を全てカバーしていることを指します。
全体をAとA以外にきちんと「分ける」ことが「分かる」ということである、と本書で解説しています。学生の時に数学で習う内容ですが、論理的思考につながるんですね。
能動的に話を聞く技術
「必ず伝わる!ロジカル会話術」と銘打っていることはあって、本書の中で会話の技術も扱っていて、ミラーリングとパラフレージングに言及しています。
ミラーリングは、相手の言葉の一部をそのまま繰り返すこと。オウム返しといったりもします。
あまり露骨にやりすぎると逆効果な気もしますが、感情を込めて行うことで相手に興味を持って話を聞いていることがよく伝わります。
パラフレージングは、内容を要約したり、似た言葉で返すこと。こちらも相手の話を興味を持って聞いていることが伝わります。
ただし論理ではなく感情を伝えたい会話や話を聞いてもらうことが目的の会話で行うと、話の流れを止めてしまって逆効果になる場合もあります。
まとめ
上記の他にも議論の時に相手の詭弁による揺さぶりや論点をずらすことへの対処法や効果的なブレーンストーミングのコツなど、論理的思考の方法が解説されています。
既に知っているものについてもわかりやすくおさらいができる内容になっています。
ロジカルシンキングや会話の技術についてマンガでさらっと読むことができて、しっかりと理解したければ熟読することで理解が深まります。
「マンガでわかる」系の書籍を読むことは少ないのですが、本書はわかりやすい良書だったので印象が変わりました。
これからは「マンガでわかる」系の書籍も積極的に手にとっていこうと思いました。これが大きな収穫かもしれません。
参考になれば幸いです。最後まで見て頂いてありがとうございました。